東京新聞

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絹使って被災地復興
服飾デザイナー稲葉みちよさん

1993年
生まれ育った横浜で独立。中区元町にアトリエを構える。
1996年
ファッションショー「東京コレクション」に、絹で統一した洋服で参加
2006年
絹産業の復興を目指す「コクーン・プロジェクト」を創設
2011年
宮城県の授産施設と共同でブランドを立ち上げる
2012年
「イセカル企画」を開始

東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県の授産施設「はらから福祉会」と連携し、「MOSH+はらから」というブランドを創設した。
第一弾として、食物アレルギーに配慮して卵や小麦粉、牛乳を一切使わないスコーンを発売。
「ボランティアでは長く続かない。ブランド力を高めて、経済として回っていくようにしたい」

■シルクの街復活

もともとはデザイナーだ。「自分のイメージを大事にしたい」と、具体的な出自は明らかにしないが、貨物船の乗組員だった父と、洋服のオーダーメード制作を手掛ける母の間に生まれた。
「ファッションは身近にあった」。幼いころ、母が捨てた布の切れ端を使って人形の服を作っていた。

デザイナーを目指したのは、「アレルギーで化学繊維の服を着られないから」。自分で天然素材の服を作ればいいと考え、専門学校を卒業し、服飾関係の商社に就職。
「デジタルの世界も経験したい」と、ゲーム会社への転職を経験し、1993年に地元の横浜で独立した。

「横浜はシルクで育った街なのに、今はそれをないがしろにしている」と憤る。
日本の絹産業を復活させるとの信念で、高級品に特化。
20~70代の幅広い年齢層の顧客に支持されている。

■食、遊び、文化

2006年には「食」や「遊び、文化」にも絹を取り入れる「コクーン・プロジェクト」を開始。
ファッションショーと食を融合させたイベントを開いたり、有機食材をプロデュースしたりしている。
スコーンの発売もその一環で、中に絹の粉末を練り込んでいる。
「MOSH+はらから」ブランドでは、レトルトだが本格派のインドカレーの発売も予定している。

横浜では今年三月、伊勢佐木町(中区)の商店街にあるカフェで新たな文化を発信する「イセカル企画」を始めた。
ゲーム会社にいたころの経験を生かし、ゲームを題材にした催しを開いている。

カフェは老人ホームの運営会社が手掛けており、「世代間の融合」を目指している。
「ブランド力をつけ、かっこいい横浜を発信したい」と意気込んでいる。
(志村 彰太)