日中新聞 1面

東京田中短期大学・紹興で学生がファッションショー
小雨のなか1万人が拍手喝采
新たな交流が萌芽・10月の学園祭で再現
東京田中短期大学(東京都町田市)の学生が10日、浙江省紹興市で地元学生らとともにファッションショーを開き、小雨のなか1万人を超える参加者や観衆から拍手喝采を受けた。紹興酒で有名な同市は毎年、生地の見本市である「紡績国際会議」を開催。横浜の元町を拠点に活躍するデザイナーの稲葉みちよさんの指導のもと、夏休みも返上してデザイナーを志す学生達が作品を仕上げた。「殆どぶっつけ本番、言葉もわからず不安で一杯だった。ショーが始まれば身振り手振りで必死の思いが通じた。友達もでき感激」とショーの成功を自信に、「今後も交流を続けていきたい」と瞳を輝かせる。将来を担う若者が、日中交流の新たな1ページを開いた。
紹興でのファッションショーは、河合徹学長が知人を通じて話が進み「紡績国際会議」の目玉として招請された。素材の殆どは紹興市側から提供され、4月に客員教授に就任した稲葉さんが指導。服飾造形科の学生を対象に提出されたデザイン画をチェックし、61体を選んだ。参加する学生20名を始めとする総勢46名が7日と8日の2陣に分かれて紹興へ出発した。
到着するや、会場となる紹興文理学院での学生や市民らによるモデルのオーディションが待っていた。歩きを中心に22名を選抜。その後、ホテルに戻って寸法調整作業やアイロンがけが深夜まで続けられた。翌日はPRを兼ねて日本からの雑誌社の取材ロケに対応。合間を縫って観光やショッピングにも出かけた。だが、期待と不安の交錯するままファッションショー当日を迎えた。
小雨がパラツクなか、19時30分から始まった紹興文理学院の野外ステージでのショーには地元住民も駆けつけ、観衆は総勢で1万人を超える大規模なものとなった。殆どリハーサルなしのぶっつけ本番にモデルや音響、進行役など担当した学生たちは不安との格闘の連続。「言葉が通じないので必死だった。整列させるのも大変でした。」と苦笑い。約30分間のショーは「とても長く感じられた」のが本音。「中国語や英語の必要性を強く感じた」のも海外に出ての成果だったろう。終了しての客席からの拍手を受け、「何とか日中の学生の連帯でやり終えた充実感」が全身を包んだという。テレサ・テンの歌を一緒に歌ったのも大変な思い出になったようだ。
今回のショーのテーマは、「一衣帯水~Fascinate Factory(ファシネート・ファクトリー、魅了する工場)」と位置付けた。学生達の殆どが海外旅行は初めて。初物づくしの世界の大舞台で自分達のアートが受け入れられた自信は、新たな日中友好の種を確実に根付かせるには充分なパフォーマンスだったに違いない。来年以降の開催を視野に、10月30日(土)開催の学園祭でアレンジを加えたファッションショーが開催される。



