ホリス・キレイ・マガジン-Kirei-2003.summer.vol.15

コラボレーションを通じ、無限の可能性にパワフルに臨む巻頭特集の鮮やかな浴衣をデザインされたのは、ファッションデザイナーの稲葉みちよさん。独特の感性と新しいものを開発していくバイタリティを武器に、毎シーズンの東京コレクションで新作を発表しています。
そして、このコレクションのバックステージを担当してるのが、フォーラムメイクアップスクールの講師を務めるタカコさんと、スクールの生徒さんたち。
今回は稲葉さんにデザイナーという仕事への情熱やファッションとメイクのコラボレーションについてお話をうかがいました。
『欲しいものを作ることへ突き進む、コラボレーションの達人』
ファッションデザイナーとして独立し、今年で11年目を迎えた稲葉みちよさん。
「MICHIYO INABA」として、96年から東京コレクションに参加し、新作を発表。
「決して流行は追わず、カジュアルには流れない」をポリシーとする彼女のデザインは、女性のエレガントさと強さがバランスよく演出されたオリジナリティあふれるもの。
ファッションジャーナリストなどの業界関係者や、海外で働く女性たちにも支持されています。
活動の拠点は、稲葉さんが生まれ育った横浜。
「単なる観光地ではなく、異国や異文化、そしてキレイなものと怪しいものがミックスされた混沌とした空気」から、様々なイマジネーションがかき立てられると言います。
そんな彼女のクリエーションは、ファッションデザイナー枠に収まらない実に幅広くユニークなもの。ウォッシャブル・シルクや電磁波防止シートを使ったシルクドレスを企業と共同開発し、洋服に仕立てたり、ゲームソフトのキャラクター用コスチュームをデザインしたり、同業、異業種とのコラボレーションで、様々なアイテムを生み出し発表しています。
「開発好きなんですよね(笑)。欲しい、おもしろいと思ったものは手に入れないと気が済まないタチ。それが見つからない時は、自分で作った方が早いなって考えちゃうんです。 といっても、自分だけではできないことは、企業やその道のプロの力を借りてコラボレーションという形で開発する。 例えば、自分が欲しいパソコン用バッグが見つからなかった時に、パソコンを扱う大手企業に話を持ちかけて、共同で作ったこともあります。 コラボレーションをすることで、可能性が無限大に広がるでしょ」欲しいものが見つからないなら自分が作る!という、あふれるバイタリティ。 これが彼女をファッションデザイナーのままではとどまらせない理由のようです。
高級天然素材のシルクを使った新素材にこだわるのも、もともとは彼女が天然素材しか身に付けられない極度のアレルギー体質だったことがきっかけだったそう。 「その素材じゃないと着ることができないという私のような人が、お客さんにも大勢いたんですね。切羽詰まっているというか、本当にそれを必要としている人たちがたくさん存在した。 それなら私が素材を開発して、しかもファッション性の高いものを作ろうと思って。ウォッシャブル・シルクにデジタルプリントを施したり、電磁波防止シートを裏地に使ったシルクのドレスなどを作りました。 これらのものは、私が昔から洋服作りのコンセプトにしている、アナログなものとデジタルなものとの融合にもつながるんです」


