Vantan Design Institute 2001 Vantan Total Guide P.71Live,Live,Live!

どんな活動をしていても私の基本は服作り。
お客さまに喜んでもらうのが仕事です。

デジタルとアナログ、月と地球、男と女・・・。『相対性の魅力』をブランドコンセプトに、新世紀到来を予見させるユニークな存在感で東京コレクションでも異彩を放つ気鋭のブランド“MICHIYOINABA”。その機能と理論に裏打ちされた魅惑的なシルエットは、独自の世界観を持つデザイナー稲葉みちよさんの真骨頂とも言える。ファッションとデジタルの融合を旗印に時代を駆け抜ける稲葉さんは、ファッション界のジャンヌ・ダルクといえる存在かもしれない。

Vantan “相対性の魅力”と言うコンセプトはどこから出てきたんですか?
稲葉さん 子供の頃にアインシュタインの相対性理論に美学を感じ、ものすごく惹かれたんです。以来私の根底にいつも流れるテーマになっています。服作りにおいても、洋服のフォルムやバランスは宇宙の構造や成り立ちと基本的に通じるものがあると思うんです。プラスとマイナスがあって、初めてバランスが保たれる。相反するものを認め合うことで調和が生まれ、そこに美が宿るんです。それがアナログとデジタルであるし、男と女でもある。全てに通じるものではないでしょうか。
Vantan 稲葉さんの発想のソースはどこにあるんですか?
稲葉さん 言葉にするとクサイですけど“愛”ですね。愛って見えにくいけど別な形に還元することで目にすることが可能でしょ?
Vantan 愛を表現する方法としてデザインをやってらっしゃると言うことですか?
稲葉さん そうですね。洋服が好きだった事と母がオーダーメイドをやっていた環境もあって、私にとって服作りが一番の表現方法なんです。
Vantan デザインで心掛けていることはありますか?
稲葉さん 服は体の一部って言う感覚があるので何よりも着やすく安全であるという事ですね。私はデザイナーであってアーティストではありませんのでお客さまに服を着てもらうことが全てなんです。そういう意味でも買い手側と売り手側がぴったり一致する仕事をしたいと思っています。時代が変わっていくっていうのは、まず皆が一緒の目線になっていく事じゃないかなと思いますから。今は皆が主役なんです。
Vantan 最終的には服作りというのは嬉しいですね。
稲葉さん もちろん。それが私ですから。