産経新聞

横浜・元町を拠点に活動を続けているデザイナーと川崎市高津区のかながわサイエンスパーク(KSP)に入居するベンチャー企業とが手を握った。最先端テクノロジーとファッションの意外なコラボレーションが電磁波問題を心配する現代人への福音となるか。
電磁波防止シート(MSIシールドシート)を取り入れた作品を「2003春夏・東京コレクション」で発表するのはファッションデザイナー、稲葉みちよさん。60点の作品のうち約10点がシートを採用している。
稲葉さんは横浜市中区元町にブティックを構え、平成8年から東京コレクションに参加。自らも化学繊維アレルギーがある体質で、天然素材にこだわり、電磁波問題にも強い関心を持つ。
シートは銀色に光り、暑さは1.2ミリ。ファスナーで取り外しできる裏地としてスーツやワンピース、スカートに取り入れた。
「服を着る人間は変わらない。昔のSFみたいに銀色のシートをそのまま装着する時代はこない。シルクの下にまとえば肌に優しく、立体感のあるシルエットも作れる」と稲葉さん。シートを入れるポケットは大きい方が電磁波防止の効果があると考えた。
「ポケットを大きくしても格好良くないといけない。バランスが崩れないように見せるのは苦労した」
一方、シートを開発したのは、電波吸収関連素材の開発製造・販売を手がける「日本電波吸収体」。ベンチャー企業の勉強会などを通じて稲葉さんが同社を知ったという。
稲葉さんの作品を見た荻野哲社長は「ごわごわして洋服の素材としては向かないと思ったら見事に調和していた」と驚く。
シートはナノ結晶合金をコーティングして大判サイズの製作を可能にした。宇宙船コーティングにも応用される技術でコストは高いが、遮断しにくい低周波にも効果を発揮するという。
ショーは17日午後7時半、東京・原宿のクエストホール(JR原宿駅前)で開く。テーマは「Perigee(近地点)」伝統と最新技術が融合する21世紀を表現するという。


