東京新聞

シルク貿易の街『復権』目指す
幕末の開港以降、絹貿易で栄えた横浜の「復権」を目指す市民らの実行委員会は22日~5月30日、「横浜絹フェスティバル」を市内各所で開く。実行委は、絹を扱う横浜市の企業や団体、有志で構成。その一つ「日本シルクを守り育てる会」の稲葉みちよ会長は「シルクで発展した街なのに、市内のスカーフ業者などは元気がない。横浜の原点に立ち返り、産業振興につながれば」と話す。(志村彰太)
「平和の祈り」を持ち絹フェスをPRする稲葉さん(左端)や大越さん(右から3人目)ら-中区
22日から市内各所で「絹フェス」
スカーフのイベントや「絹スイーツ」も
育てる会は2013年、国産絹を使った服を制作する稲葉さん-中区-らの呼び掛けで設立した。
東京都心のビル屋上でミツバチを飼育するNPO法人「銀座ミツバチプロジェクト」理事の大越貴之(44)が事務局長を務め、養蚕業の復活にも取り組む。
絹産業や、国産絹を使った作品制作などに携わる50人が参加している。
会のメンバーは、群馬や長野の養蚕農家を視察し、クワを植樹するなど生産者への理解を深め、支援してきた。
「消費者にもアピールしたい」と昨夏、実行委を組織。
市内の繊維業者でつくる横浜繊維振興会、シルク博物館、横浜高島屋、横浜ベイホテル東急、着物のレンタル店「横濱きものステーション」も名を連ねる。
フェスは22日午前10時、横浜赤レンガ倉庫1号館で開くスカーフを使ったイベント「横浜ファッションウィーク」を皮切りにスタート。
インド映画に出演する女優板倉リサさんが当日午後2時から国産絹で作った扇子「絹龍舞」を持ち、稲葉さん制作の衣装を着て大さん橋で踊りを披露する。
板倉さんは、「日本刺繍紅会」が絹の刺繍をした壁飾り「平和の祈り」をバックに踊る。この作品は、米中枢同時テロを受け03年に制作された。
5月9~30日は、横浜ベイホテル東急やホテルニューグランドなどで、絹の水溶液を配合したスイーツを販売。スイーツは健康食品としても注目されているという。
5月25日~30日は横浜高島屋で、絹製品の販売やスカーフの結び方教室等を催す「絹の大祭典」が開かれる。
大越さんは「国産の絹は、戦前のピーク時の1%しか生産されていない。フェスを開いて終わりではなく、継続してイベントやシンポジウムを開きシルクの聖地、横浜を盛り上げていきたい」と語った。
絹龍舞と絹の衣装を身に着ける板倉さん(稲葉さん提供)


