東京新聞

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国産絹の復興 横浜から一歩

年々生産が減り続けている国産の絹を復活させようと、横浜市中区で絹製服飾の企画制作を手掛ける稲葉みちよさんらが、「国産絹を守る会」の設立準備を進めている。
愛知県の農家などが協力し、幕末の開港から戦後にかけて絹貿易で発展した横浜から、シルク産業の復興を目指す。(志村 彰太)

「守る会」の設立
稲葉さんら準備 愛知の農家ら協力


中心メンバーは六人。愛知県安城市の農業生産法人代表の亀山周央さん(68)、東京都心のビル屋上でミツバチの飼育事業を営む会社「銀座ミツバチ」の大越貴之さん(41)、東京愛知県人会副会長の藤原慶子さん(65)らで構成する。
稲葉さんは会長を務める予定。六月中にも発足させ、将来的には社団法人にしたいという。

亀山さんは休耕田を使って希少な国産ゴマの栽培を復活させた実績があり、「国産、在来種へのこだわりがある」。かねて、減少する養蚕業を何とかしたいと思っていた。
一方、稲葉さんは2006年から、ファッションを通して国産絹の価値を見直す「コクーン・プロジェクト」という活動をしている。
今年に入り、亀山さんが稲葉さんのことを知り、「守る会」の設立を呼び掛けた。

守る会では、農家から生糸を買い取り、染色をして稲葉さんが洋服などに加工。通販やイベントへの出店で販売する。安定的に買い付けて養蚕を営みやすい環境をつくり、高付加価値で売ることで、文化としてだけではなく、産業としての定着を目指している。

当面は、農家とカイコの品種改良に取り組む研究者、技術力のある染色家の参加者を募る。
全国各地にネットワークを持つ大越さんが「営業」に回るという。大越さんは「養蚕はどんどん衰退している。活動は待ったなしだ」と意気込む。

稲葉さんは「横浜はシルクで発展したのに、感謝の気持ちが足りない。
守る会を大きなうねりにして、シルク産業を復権させたい」と話している。